「1に立地、2に立地、3に立地」について、検討したいと思います。

言い方は、少し異なるかもしれませんが、タイトルのように「1に立地、2に立地、3に立地」とか、「不動産は立地が全て」というのを聞いたことはありますでしょうか。

名言なのか、格言なのかは、良く分かりませんが、見聞きしたことがある方は、いらっしゃるでしょう。

立地が重要というのは、当たり前であり、そんなこと考えるまでもない、と言われてしまいそうですが、今回は、この「1に立地、2に立地、3に立地」について、考察していきたいと思います。

目次

1.立地とは

まず、立地という文言について、確認していきましょう。

不動産の解説というよりは、国語の解説のようになってしまいますが、広辞苑では、以下のとおりとなっています。

立地

  • 植物の生育する一定の場所における環境。農学・生態学などでいう。
  • 人間の行為を営む場所、特に産業を営む場所を選択して定めること。

2つめの方が、ここでいう立地の意味になるかとは思いますが、少し難しい表現です。

英語では、locationと訳されることが多いようですが、こちらの方が分かり易いかと思います。

locationを日本語にしますと、”位置、場所”となりますので、土地が存する位置、若しくは場所、ということになります。

そうしますと、「1に立地、2に立地、3に立地」とか、「不動産は立地が全て」というのは、不動産の場所が重要だ、ということになります

2.好立地の物件は買えるのか

説明をさせていただくまでもなく、立地の重要性は、認識されているかと思います。

好立地の物件であれば、

  • 店舗であれば、売り上げが上がりやすい
  • 貸し出すのであれば、高い賃料が取れる
  • 将来の値下がりリスクが少ない

など、魅力的な要素もあります。

従って、不動産の購入を検討することになれば、このような好立地の物件を希望することになるでしょう。

ですが、別ブログで、解説させていただきましたが、全く同じ不動産というものはなく、駅近くの好立地の物件になると、供給は限定され、購入をしたくても、そもそも物件がない、ということが多いです。

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また、このようなエリアについては、購入希望者が複数いて、地元の不動産業者に、売り物件が出たら、知らせて欲しいとお願いしている方も多くいることが多いです。

そうすると、そもそも物件の情報が表に出ることなく、売買が成立してしまうケースがよくあります。

このような状況の中、駅前の好立地の物件の購入を希望しても、物件がないか、あったとしても、物件情報を入手することが困難であり、実際に購入することは、難しいかもしれません。

3.金額次第では、購入の可能性もある

では、絶対に買えないのか、というと、通常の物件と比較すると競合が激しいので、難易度は上がりますが、絶対に不可能かというと、そうではありません。

先では、触れませんでしたが、購入希望者が複数いる、ということを述べましたが、購入希望者が複数いると、どんなことが起こるでしょうか。

容易に想像できると思いますが、物件価格が上昇していき、最終的には、一番高値での価格を提示した人が、購入できるということになります。

現在、不動産市場においては、全国的に、土地は上昇傾向にあります。

私の普段の実務において、立地の優れる商業地では、路線価の2~3倍という取引が当たり前という状況にあります。

これが、希少性の高い駅前の土地などになると、更なる高騰が予想されます。

従いまして、一番高い価格を提示することが出来るのであれば、購入出来る可能性がありますが、その価格は相当の高値となってしまう可能性があります。

4.実際は、どうなのか

駅近くの好立地の物件ですと、供給が少なく、その為、購入希望者も複数おり、その結果、価格も高くなってしまいます。

では、そこまでして、購入する必要があるのでしょうか。

購入する目的にもよります。

投資目的でしたら、通常は、安く売って、高く売る、ということになりますので、一般的には、安くは買えませんので、購入は見送ることになるかもしれません。

ですが、土地・建物からなるビルなどでしたら、改装などのヴァリューアップを実施し、より高値で売却することも可能になりますので、一概に、見送るということにはならないでしょう。

勿論これには、ノウハウも必要ですので、誰でも実践できる訳ではないでしょう。

実需を目的としているのでしたら、多少の採算は度外視することも出来るかとは思われますので、購入してもいいかもしれません。

この場合、立地に優れた土地を所有しているということは、ステータスにもなります。

また、今後の地価上昇を期待するということもあるでしょう。

仮に、現時点では割高であったとしても、将来の値上がりにより、購入時の割高分は相殺されて、値上がり益を享受出来るかもしれません。

以上、まとめますと、

  • ヴァリューアップなどを実施して、物件の価値をより高められるか
  • 採算は度外視して、ステータス目的で取得する
  • 将来の値上がりを期待する

のいずれかの目的で購入となるでしょう。

これら以外の目的の場合には、購入を見送らざるを得ないかと思われます。

5.まとめ

「1に立地、2に立地、3に立地」は、その通りであって、誰でもそうしたいのですが、実際には、実現することは難しい、ということになるかと判断します。

なお、一時的な、経済ショックなどで、不動産市場が悪化した時に、安値で買える可能性はあるかもしれません。

また、説明では、駅前の土地ということで説明させていただきましたが、住宅地ですと、少し広くエリアを捉えることが出来、その為、検討可能な物件も増えます。

例えば、駅から近くて、南向きの土地、という条件でしたら、駅前の土地よりも、広い範囲に及びます。

従いまして、駅近くの土地を購入するよりは、購入の可能性が高まります。

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