今後の地価動向を考察します。-令和6年11月29日時点-

令和6年9月18日に発表された令和6年地価調査では、全国的に地価は上昇傾向で推移しており、また、上昇幅も拡大傾向となっています。

また、新築分譲マンションの価格は高騰しており、中古マンション市場も同様に好調です。

一方で、東京都以外の建売や中古マンションでは、陰りが見えているところもあります。

以上を踏まえまして、今後の地価動向はどうなるのかを、考察していきたいと思います。

目次

1.不動産価格指数

(1)不動産価格指数の概要

国土交通省が公表をしている不動産価格指数というものがあります。

これによると、2008年(平成20年)4月以降の価格変動が分かります。

住宅総合、住宅地、戸建住宅、マンション(区分所有)のデータがあり、毎月公表されています。

今回は取り上げませんが、商業のデータもあります。

(2)日経平均との関連

この不動産価格指数をもとに、日経平均との関連をみていきます。

グラフを見て下さい。

2008年(平成20年)4月以降の不動産価格指数と日経平均の推移です。

不動産価格指数は、2010年(平成22年)を100とした指数です。
また、先に記載しましたが住宅のデータで、取り上げたものは全国のものになります。

日経平均は、不動産価格指数と同様に、2010年(平成22年)を100として、指数化しています。

2012年(平成24年)のアベノミクス以降、株価は大幅に上昇しています。

株価の上昇に少し遅れて、各種不動産価格指数も上昇しています。

住宅地と戸建住宅は、ほぼ横ばいで推移していますが、2020年以降、上昇傾向となっていることが、グラフから読み取れます。

マンション(区分所有)の上昇が顕著です。

グラフより、日経平均と不動産価格の関連は高いことが分かるかと思います。

一般に、株価は、半年から1年先の景気動向を反映して動くと言われることが多いですが、不動産価格も、株価に遅れて、変動していくことは、経験的に知られています。

(3)今後の動向

では、今後の不動産価格の推移はどうなるのでしょうか。

日経平均は、2010年時よりも約4倍の水準に達しているのに対し、マンション(区分所有)で約2倍、それ以外の倍率は低い水準に留まっています。

そうすると、まだまだ不動産価格は上昇の余地がある、という見方も出来るかと思います。

一方で、今後、日経平均が下落に転ずるようなことがあれば、不動産価格も下落していく可能性も否定できません。

2.地価公示価格

不動産価格指数は、2008年(平成20年)4月以降のデータですので、それよりも前はどうだったのかを、地価公示価格から検討したいと思います。

地価公示価格については、こちらで解説していますの、よければ参照して下さい。

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(1)日経平均との関連

先の不動産価格指数と同様に、日経平均との関連を探ります。

昭和50年(1975年)からの推移となります。

地価公示価格は、全国、全用途の平均価格で、先と同様に、2010年(平成22年)を100として指数化してあります。

このグラフからも、日経平均と不動産価格の関連は明白ですね。

特に、グラフの左側ですが、日経平均が先行して高値を付けて、下落に転じていますが、公示価格はそれに遅れて高値を付けて、下落に転じていることが良く分かります。

アベノミクス以降の推移は、先の不動産価格指数と同様です。

(2)今後の動向

このグラフを見ると、不動産価格は、株価に遅れて動くことが、より明確に読み取れますので、不動産価格は、まだまだ上がっていくように思われるかもしれません。

3.まとめ

不動産価格の推移を日経平均との関連で見てみました。

私の解釈とは違った見方をされる方もおられるかもしれません。

一つ注意していただきたいのは、今後の動向については、私の主観にしか過ぎませんので、万一、不動産取引、投資等をして、損失を被ったとしても、私は責任を負えないことをどうぞご留意下さい。

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