東京の不動産用語をやさしく解説 ー城南・城北・城西・城東・都心3区・都心5区とは?ー

目次

はじめに|城南エリア、城北エリアはどこでしょう

不動産広告やニュースで「城南エリア」「城北エリア」という言葉を見たことはありませんか?
耳にしたことはあっても、「具体的にどの地域を指すのか、正確には分からない」という方は意外と多いものです。東京に長く住んでいる方でも、普段の生活ではあまり使わない言葉なので、ピンとこないことがあります。
しかし、不動産業界ではこうした言葉が頻繁に使われ、物件の価値やエリアの特徴を表す重要なキーワードになっています。

そこで今回は、不動産にあまり馴染みのない方に 城南・城北・城西・城東、そして 都心3区・都心5区 という言葉の意味や背景を、地理と歴史の視点から分かりやすく解説します。
さらに、なぜ不動産広告でこうした言葉が使われるのかについても詳しく説明します。

このブログを読んで分かること

  • 「城南」「城北」などの意味と起源
  • 江戸城を基点にした歴史的背景
  • 東京23区のエリア分類と特徴
  • 都心3区・5区・6区・18区の定義
  • 不動産広告で使われる理由と効果
  • エリア選びに役立つ知識
東京都

なぜ「城」がつくの?起源と歴史

「城南」「城北」などの言葉は、東京特有の表現です。そして、東西南北全てに城が付いています。
では、この「城」は、何を意味しているのでしょうか。
東京で城といえば、江戸城ですね。
江戸城を中心に東西南北でエリアを分けたことが起源であり、江戸時代から続く歴史的な背景を持っています。

江戸城
江戸城

江戸城とは?

江戸城は現在の千代田区に位置し、徳川幕府の政治の中心でした。
しかし、その起源は江戸時代よりもさらに古く、室町時代の武将・太田道灌(おおたどうかん)によって築かれたことをご存じでしょうか?

太田道灌と江戸城の始まり

太田道灌は、室町時代後期に関東地方で活躍した武将で、扇谷上杉家の家臣として知られています。
道灌は文明年間(1467年頃)、江戸の地に城を築きました。これが江戸城の始まりです。当時の江戸は湿地帯が広がる小さな地域でしたが、隅田川や東京湾に近く、水運の利便性が高かったため、軍事的にも経済的にも重要な拠点となり得る場所でした。

徳川幕府による大改修

その後、徳川家康が関東に入封した際、江戸城を大規模に改修し、近世城郭として整備しました。城郭は拡張され、堀や石垣が築かれ、江戸城は日本最大級の城へと発展します。これにより、江戸は政治・経済・文化の中心地として急速に成長しました。

江戸城を起点とした都市構造

江戸時代、江戸城を基準に「城の南側」「城の北側」という言い方が自然に生まれ、武家屋敷や町人の居住地を示す際に使われていました。
当時の江戸は、城を中心に放射状に広がる都市構造を持っており、城の周囲には大名屋敷が並び、その外側に町人地が形成されていました。この構造が、現代の東京の地理的イメージにも影響を与えています。

なぜ現代まで残ったのか?

明治維新後、江戸は東京と改称されましたが、江戸城は皇居として残り、都市の中心であり続けました。そのため、江戸城を起点とした方角による呼び方は、不動産業界や地理的な分類で今も使われています。
特に不動産広告では、「城南エリア」「城北エリア」という言葉が、地域のブランドイメージを簡潔に伝える便利な表現として定着しました。

城南・城北・城西・城東とは?範囲と特徴

それでは、城南、城北、城西、城東のそれぞれについて説明をしていきます。なお、区分は、多少異なることもあるようですので、絶対的なものではない、ということは理解しておいて下さい。

東京23区
千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区
東京23区

城南エリア

範囲

港区・目黒区・品川区・大田区

特徴

城南エリアは、東京湾に近い南側に位置し、古くから高級住宅街として知られています。特に港区や目黒区は、ブランド力が非常に高く、国内外の富裕層に人気があります。

港区には六本木や麻布、白金といった高級エリアがあり、国際的なビジネス拠点や大使館も集中しています。

目黒区は、落ち着いた住宅街とおしゃれなカフェやショップが共存するエリアで、住環境の良さからファミリー層にも支持されています。

品川区は、品川駅周辺の再開発が進み、ビジネス拠点として急成長中。新幹線や羽田空港へのアクセスが良く、利便性の高さが魅力です。

大田区は、羽田空港を擁し、国際的な交通の玄関口として重要な役割を果たしています。住宅地としては比較的広い敷地を確保できるエリアもあり、都心に近いながら落ち着いた生活が可能です。

城北エリア

範囲

文京区・豊島区・北区・荒川区・板橋区・足立区

特徴

城北エリアは、東京の北側に位置し、エリアごとに個性が際立っています。

まず、文京区は「教育の街」として有名で、東京大学をはじめとする名門校や学習環境が充実しています。治安も良く、落ち着いた住宅街が広がるため、ファミリー層や学者・研究者に人気があります。

豊島区は、池袋駅を中心に商業施設やエンターテインメントが集積するエリア。大型百貨店や劇場、飲食店が並び、昼夜問わず活気があります。交通の利便性も高く、JR・地下鉄・私鉄が集中するターミナル駅を擁しています。

北区・荒川区・板橋区・足立区は、比較的庶民的な雰囲気が残る地域です。住宅価格や賃料が都心に比べて抑えめで、生活コストを重視する層に人気があります。足立区は広い面積を持ち、下町情緒と新しいマンション開発が共存。北区は赤羽など交通の要所があり、埼玉方面へのアクセスも良好です。

城西エリア

範囲

渋谷区・新宿区・中野区・杉並区・練馬区・世田谷区

特徴

城西エリアは東京の西側に広がり、都心の活気と住宅街の落ち着きが共存する地域です。まず、渋谷区新宿区は東京を代表する大都市で、ビジネス・商業・エンターテインメントの中心地です。

渋谷区は若者文化やIT企業の集積地として知られ、再開発が進む渋谷駅周辺は国内外から注目されています。

新宿区は巨大なターミナル駅を擁し、オフィス街と繁華街が共存するエリアで、交通利便性は東京随一です。

中野区・杉並区は、都心に近いながら落ち着いた住宅街が広がり、生活利便性と住みやすさのバランスが取れています。中野はサブカルチャーの発信地としても有名で、個性的なショップや飲食店が集まります。杉並は緑が多く、閑静な住宅街が広がるため、ファミリー層に人気です。

練馬区・世田谷区は、広い面積を持ち、戸建住宅が多いエリアです。世田谷区は高級住宅街として知られ、教育環境や公園が充実しており、子育て世帯に特に人気があります。練馬区は東京23区の中でも自然が多く、落ち着いた雰囲気が魅力で、都心へのアクセスも良好です。

城東エリア

範囲

中央区・台東区・墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区

特徴

城東エリアは東京の東側に広がり、古くから「下町文化」が息づく地域として知られています。江戸時代には職人や商人が集まり、庶民の生活文化が発展しました。今でも浅草や両国など、歴史を感じる街並みや伝統行事が残っています。

中央区は銀座や日本橋を擁し、日本を代表する商業エリア。高級ブランド店や老舗が並び、ビジネス街としても重要な役割を果たしています。


台東区は浅草や上野を中心に、観光地として国内外から人気。寺社や美術館が多く、文化的な魅力が豊富です。


墨田区は東京スカイツリーのあるエリアで、再開発が進み、観光と居住の両面で注目されています。


江東区は近年、湾岸エリアでタワーマンション開発が急速に進み、資産価値が上昇中。豊洲や有明などはファミリー層や投資家に人気です。


葛飾区・江戸川区は下町情緒が色濃く残り、比較的リーズナブルな住宅価格が魅力。広い公園や河川敷があり、自然を感じながら暮らせる環境です。

全部で22区 足りない区は?

以上、整理しますと、次のとおりとなります。

城南港区、目黒区、品川区、大田区
城北文京区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区
城西渋谷区、新宿区、中野区、杉並区、練馬区、世田谷区
城東中央区、台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区

何か、気づかれた方はいらっしゃるでしょうか。全部で22ですね。無いのは、どの区でしょうか。

千代田区です。

江戸城が起点ですので、江戸城がある千代田区は含まれないようです。
そういった意味からも、千代田区は、特別な区なのかもしれません。

千代田区が含まれないことを知っておくのも、この分類を理解するポイントになります。

千代田区

都心3区、都心5区、都心6区、都心18区

続きまして、都心3区、都心5区等について、解説させて下さい。

都心3区

範囲

千代田区・中央区・港区

特徴

都心3区は、日本の政治・経済・ビジネスの中心を担うエリアです。
千代田区には皇居や国会議事堂、官庁街が集まり、日本の行政機能の中枢を形成しています。オフィス街としても重要で、大手企業の本社や政府関連施設が集中しています。
中央区は日本橋や銀座を擁し、歴史ある商業エリアとして有名です。高級ブランド店や老舗企業が並び、ビジネス街としても活発。証券取引所など金融機関も集まるため、経済活動の中心地といえます。
港区は六本木や虎ノ門など、国際的なビジネス拠点が広がるエリア。外資系企業や大使館が多く、グローバルな雰囲気が漂います。再開発が進む虎ノ門ヒルズや品川周辺は、ビジネスと居住の両面で注目されています。

都心5区

範囲

都心3区(千代田区・中央区・港区)+新宿区・渋谷区

特徴

都心5区は、日本の政治・経済・文化の中心を網羅するエリアです。
まず、都心3区(千代田・中央・港)は行政・金融・国際ビジネスの中枢であり、資産価値が非常に高い地域です。これに加えて、新宿区渋谷区が含まれることで、商業・文化・エンターテインメントの要素が強化されます。

新宿区は、日本最大級のターミナル駅「新宿駅」を擁し、オフィス街と繁華街が共存する都市。高層ビル群が並ぶ西新宿はビジネス拠点として発展し、東口側はショッピングや飲食店が集まる賑やかなエリアです。
渋谷区は、若者文化やIT企業の集積地として有名で、再開発が進む渋谷駅周辺は国内外から注目されています。ファッション、音楽、スタートアップ企業など、トレンド発信地としての役割も大きいです。

都心6区

範囲

都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)+文京区

特徴

都心6区は、政治・経済・文化の中心である都心5区に、文京区を加えたエリアです。文京区は「教育と文化の街」として知られ、東京大学をはじめとする名門校や研究機関が集まっています。教育環境が整っているだけでなく、医療機関も充実しており、大学病院や専門病院が多いことから、安心感のある住環境が魅力です。

また、文京区は緑豊かな公園や歴史ある寺社が点在し、落ち着いた雰囲気を持つ住宅街が広がっています。都心に近いにもかかわらず、騒がしさが少なく、治安も良好なため、ファミリー層や学者・医師などの専門職に人気があります。

不動産市場では、文京区は資産価値が安定しているエリアとして評価されており、マンション価格も高水準を維持。都心6区全体では、ビジネス・文化・教育・医療が集約されているため、生活の質と資産価値の両方を重視する層にとって理想的な地域です。

都心18区

範囲

東京23区のうち、江戸川区・葛飾区・足立区・北区・板橋区を除いた18区

特徴

都心18区という言葉は、不動産業界で使われる比較的新しい分類です。東京23区全体を「都心」「城南」「城北」「城西」「城東」などで分ける際、資産価値や利便性の観点から、特に都心寄りとされる18区をまとめて指す表現として生まれました。

除外される5区(江戸川・葛飾・足立・北・板橋)は、東京の東北部や北部に位置し、都心からやや距離があるため、住宅価格や地価が比較的低めです。一方、残りの18区は、都心に近く交通アクセスが良いことから、居住・投資の両面で人気があります。

この18区には、千代田・中央・港といった都心3区をはじめ、渋谷・新宿・文京などの高級住宅街やビジネス拠点、さらに世田谷・目黒といったファミリー層に人気のエリアも含まれます。結果として、都心18区は「利便性」「ブランド力」「資産価値の安定性」という3つの要素を兼ね備えた地域といえます。

なぜ不動産広告で使われるのか?

不動産広告で「城南エリア」「都心5区」という言葉が使われる理由は、ブランド価値とイメージ戦略にあります。

ブランド力を強調できる

「城南エリア」と聞くと、港区や目黒区など高級住宅街を連想します。広告でこの言葉を使うことで、物件の価値を高く見せる効果があります。

エリアの特徴を簡潔に伝えられる

「城東エリア」と言えば、下町文化や湾岸開発をイメージできます。長い説明をしなくても、ひとことで地域性を表現できるのです。

投資家や購入希望者に安心感を与える

「都心3区」「都心5区」は資産価値が安定しているエリアとして認知されています。広告でこの言葉を使うことで、購入後の価値維持を期待させる効果があります。

地図でイメージする東京のエリア

初心者にとって、言葉だけでは分かりにくいので、地図でイメージすると理解しやすいです。

  • 江戸城=千代田区の皇居を中心に、東西南北に広がるイメージ。
  • 城南は「品川・目黒・港区」など東京湾に近い南側。
  • 城北は「文京・豊島・北区」など北側。
  • 城西は「渋谷・新宿・世田谷」など西側。
  • 城東は「中央・江東・墨田」など東側。

まとめ:知っておくと便利な地理用語

「城南」「城北」などの呼び方は、江戸城を起点にした歴史的背景を持つ、東京特有の分類です。これらの言葉を理解することで、東京の地理や不動産市場の特徴がより分かりやすくなります。

また、都心3区・都心5区は、日本の政治・経済・文化の中心であり、不動産価格やブランド価値を語るうえで非常に重要なエリアです。こうした分類は、不動産広告でよく使われますが、その理由は明確です。ブランド力を強調でき、地域の特徴を簡潔に伝えられるだけでなく、購入希望者に安心感を与えることも出来ます。

不動産購入や投資を検討する際、これらの地理用語を理解しておくことは、エリア選びの参考になるだけでなく、物件の価値や将来性を判断するうえで大きな助けになります。

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