賃貸住宅にお住まいの方は、多いと思います。
既に、何年も入居されている方は、お忘れかもしれませんが、契約時には、様々な物件を検索し、条件面などを比較検討して、現在お住まいの物件に入居されたかと思います。
以前は、不動産屋さんに掲示されている物件チラシを見るとか、直接不動産屋さんに訪問して、希望の物件を紹介してもらって物件を探していたかと思いますが、ネット社会の現在では、ネットから様々な物件を、ご自宅から検索することが可能です。
そうしますと、自宅でゆっくり物件を比較検討出来ますので、条件面においては、以前よりも納得のいく物件探しが出来るようになっているのかと思いますが、どうでしょうか。
ゆっくりと比較検討出来るようになると、気になることも出てくるかと思います。
不動産屋にいれば、不動産屋さんに聞けばいいですが、ネットで検索していたら、聞く訳にもいかないと思います。
そこで、物件チラシの見方としまして、今回は償却について、解説します。
1.用語の説明
タイトルも含めまして、先に、いくつか用語が出て来ましたので、用語の解説を致します。
なお、住宅を例に取って、説明します。
事務所でも店舗でも、変わりはありませんので、安心して下さい。
(1)敷金
敷金は、御存知だと思います。
物件を借りる際に、大家さんに預けるお金です。
賃料の滞納とか、経年劣化以上に部屋を損耗させなければ、退去時に返還されます。
少し話が逸れますが、退去する時に、経年による劣化は、オーナーの負担になりますが、不注意でどこかを壊してしまったような場合には、賃借人の負担で修繕する必要があります。
この原状回復工事の話につきましても、機会を改めて、説明させていただければと思っております。
(2)保証金
敷金と同じものと考えていただいて大丈夫です。
事務所や店舗の場合に、保証金という名称が使われることが多いと思います。
関西の方では、保証金という名称が使われることが多いようです。
(3)礼金
敷金、保証金は、問題がなければ返還されるお金ですが、礼金は、戻ってこないお金です。
ウィキペディアで調べてみると、関東で多いようです。
名前のとおり、賃貸借契約締結の謝礼、という性質もあるようです。
(4)償却
本題の償却です。
言葉自体をきちんと説明しようとすると難しいですが、”敷金から退去時1ヶ月償却”、”ペット飼育の場合、敷金から退去時1ヶ月償却”、”事務所利用の場合、退去時1ヶ月償却”のような文言を目にすることがあるかと思います。
引かれるお金、取られるお金ということはイメージ出来るかと思います。
勿論戻ってこないお金になります。
ですので、礼金と同様に考えていただいていいかと思います。
2.なぜ償却か
ここでは、住宅の話をしているので、話が少し逸れますが、店舗の場合には、保証金からの償却は良く見かけます。
では、なぜ住宅の場合に、償却なのでしょうか。
これは、簡単な話しでして、物件を検索している方に、目にとまるようにするためですね。
「敷金1ヶ月、礼金1ヶ月」、「敷金1ヶ月、礼金0ヶ月」とう2つの物件があったら、当然「敷金1ヶ月、礼金0ヶ月」の方がお得ですよね。
先に述べましたが、礼金は戻ってこないお金です。
ですが、「敷金1ヶ月、礼金0ヶ月」の物件でも、備考欄あるいは注意事項欄をよく見て、「退去時敷金1ヶ月償却」と書いてあったら、実質的には、礼金1ヶ月と同様になります。
これを具体的にいいますと、「敷金1ヶ月、礼金1ヶ月」、「敷金2ヶ月(退去時1ヶ月償却)、礼金0ヶ月」の2つの物件がありましたら、どちらも同じです。
見た目の賃料に惑わされずに、判断することが重要です。
これについては、別のブログで、実質賃料と支払賃料の説明もしていますので、参考にしていただけたらと思います。
3.補足説明
なお、厳密には、「敷金1ヶ月、礼金1ヶ月」と「敷金1ヶ月、礼金0ヶ月、退去時敷金1ヶ月償却」は、実質的に礼金を支払うことになるという点では同様ですが、初期投資として、「敷金1ヶ月、礼金1ヶ月」は2か月分、「敷金1ヶ月、礼金0ヶ月、退去時敷金1ヶ月償却」は1ヶ月分で済むという違いがあるので、注意して下さい。
この2つの比較で云えば、「敷金1ヶ月、礼金0ヶ月、退去時敷金1ヶ月償却」の方が、初期投資が少なくて済むのでお得ということになりますね。
実質的な支払額よりも、とにかく初期投資は抑えたい、ということでしたら、有利な選択になるのかと思います。
皆さんの賃貸物件探しの参考にしていただけたらと思います。
コメント