税理士や弁護士と比べると、不動産鑑定士は、その数も少ないことから、世間の認知度は低いのではないかと思っています。
その為、不動産鑑定士という職業は、あまり知られていないと思わますし、名前ぐらいは聞いたことがあっても、不動産鑑定士は何をしているのか、よく知らない、というのが実態なのではないでしょうか。
私も、随分と前になりますが、親戚のおじさんに、不動産鑑定士は知っているが、欠陥住宅などのチェックをするものだと、思っていたと言われたことがあります。
そうしますと、不動産鑑定が必要になった時に、鑑定料がいくらぐらいになるのかは、皆目検討がつかないでしょう。
この鑑定料については、会社のブログ方で、一度説明をさせてもらっておりますが、このブログでは、個人の方が、不動産鑑定が必要となった時を前提にして、説明をしたいと思います。

1.個人の方が、鑑定評価が必要となるケースはそれほど多くない
.私の経験上、個人の方から、直接依頼を受けるのは、あまり多くはありません。
勿論ない訳ではなく、私の仕事全体の割合からすれば、少ない、ということに過ぎません。
また、どのような仕事を中心としているのかによっても異なってくるでしょう。
先のとおり、不動産鑑定士があまり知られていない実態からすると、不動産鑑定士と全く関わりがない、という方も多いでしょう。
では、どんな時に、鑑定評価が必要となるのでしょうか。
私の経験上、多いのは以下の2つになります。
- 相続
- 関連法人間との取引
(1)相続
本ブログは、不動産鑑定費用についての説明となりますので、相続自体については、今回は触れません。
相続が発生しますと、遺産分割や遺留分減殺請求の際に、鑑定評価が必要となります。
例えば、遺産分割を例に取りますと、不動産の価格は現金などとは異なり、現時点での価格は分かりません。
不動産の価格が分からなければ、遺産分割も進められませんので、鑑定評価が必要となる訳です。
(2)関連法人間との取引
会社の社長個人が保有する土地を会社に売却する場合などです。
その取引価格が時価であることを証明するために、不動産鑑定評価が必要となります。
なお、この場合には、依頼者が必ずしも個人とは限らず、相手方の法人からの依頼となることもあります。
(3)その他
前記2つが件数としては多いですが、他のケースもあります。
離婚の際の遺産分割がそうです。
更には、個人のビルオーナーが、入居中のテナントに対して、賃料増額交渉をする際にも、鑑定評価を活用されることがあります。
2.鑑定報酬はいくらになるのか
さて、では鑑定報酬はいくらになるのでしょうか。
まず、結論ですが、先の例の場合だと、弊社では、1件あたり、30~40万円(税別)ぐらいとなるケースが多いです。
なお、一つ注意していただきたいのですが、鑑定報酬は、仲介手数料のように、決まりがある訳ではなく、不動産鑑定業者によって異なることです。
ですので、各業者に問合せないと、正確な金額は分からないことです。
また、上記金額は、目安ということにご注意下さい。
規模の大小や、建物の棟数、権利関係などによっても異なってきます。
さらには、遠隔地の場合には、旅費・宿泊費も必要になります。
3.まとめ
鑑定報酬の目安について、説明させていただきました。
実際に鑑定評価が必要となった時には、複数の業者に見積りをとるのがいいでしょう。
通常、複数の見積もりを取ると、金額が一番安いところにお願いしがちですが、ここは注意が必要です。
単なる土地の評価の場合には、どの不動産鑑定士でも、結果に違いは、あまり生じないと思いますが、複雑な案件などになりますと、得手不得手がありますので、単に、金額が一番安いところにお願いしただけでは、本楽の目的が達成できないことなども考えられます。
単に、金額だけで、決めるのはではなく、普段、どのような仕事を中心にしているのか、類似の案件の取り扱いはあるかなども問い合わせた上で、最終的に判断する必要があるでしょう。