底地の売却で、お悩みはありませんか。 -底地、底地価格、底地の売却について、解説します。-

前回は、借地権について、説明させていただきました。

借地権と底地は、全くの別物ではありませんので、借地権の売買に当たって、底地についての理解を深めておくことは損ではありません。

また、底地所有者(土地所有者)も底地を売却したい、ということがあるかと思います。

そこで、今回は、底地についての説明と、底地の売却について解説をしたいと思います。

目次

1.底地ってなんだろう

何ら説明もせずに、底地という言葉を使ってしまいましたが、ご存じのない方は、少し困惑されているかもしれません。

不動産用語になります。
借地権も不動産用語ですが、字面の通り土地を借りる権利ですから、理解は容易だと思います。

一方で、「底地」は、単語から意味を推測するのは難しいかと思われ、ご存じのない方からすると、謎の言葉ではないでしょうか。

ここでいう底地とは、借地権の設定されている土地という意味になります。

借地権については、前回説明させていただきましたが、簡単に復習です。

建物所有目的の地上権及び土地賃借権です。
建物所有目的ですので、駐車場や資材置場としての利用目的では、借地権にはなりません。

もう少し詳しく説明します。
下図を見て下さい。

上図のような土地があったとします。

これだけ見ると、意味不明かもしれませんが、土地を真横から見た断面図と思って下さい。

この土地をA氏が所有しているとします。

この土地にB氏の借地権を設定すると、以下のようなイメージになります。

土地の所有は、A氏であることに変わりはありませんが、借地権が設定されることにより、完全所有権であった土地が、借地権と底地に分解されると、理解してもらうと分かり易いかもしれません。

実際には、借地権者であるB氏は、借地上に建物を建てますので、現実的な利用状態は、下記のようになります。

2.底地の価格

底地の売却について、説明する前に、底地価格の求め方について、解説したいと思います。

売却しようとする底地がいくらぐらいになるのか、ということを把握しておくことは重要です。

底地の価格は、どうやって求めるのでしょうか。

正確な底地価格の求め方は、不動産鑑定評価基準に記載されていますが、それだと少し難しいので、前回の借地権と同様に、目安となる価格を知る方法ということで、以下説明を続けます。

まず、イメージですが、上図のとおり、完全所有権である土地に、借地権が設定されると、土地は、借地権と底地に分解されます。

そうしますと、土地(完全所有権)の価格から、借地権の価格を控除すると、底地価格になるということは、ご理解いただけますでしょうか。

式にすると、以下のとおりです。

底地価格=土地(完全所有権)価格-借地権価格

土地価格と借地権価格の求め方は、前回解説しておりますので、そちらを参照して下さい。

説明の便宜上、前回の土地価格と借地権価格を使用すると以下の通りとなります。

土地価格:550,000円/㎡×100㎡=55,000,000円

借地権価格:220,000円/㎡×100㎡=22,000,000円

底地価格:55,000,000円-22,000,000円=33,000,000円

底地価格は、上記のとおり求められますが、これも前回触れましたが、目安ということでご理解下さい。

底地は、借地権者に土地を貸していますので、底地所有者が、土地を利用することは出来ません。その代わり、借地権者から、地代を貰っています。

従いまして、底地価格の高低は、地代水準に大きく左右されます。

ですが、一般的に、底地の地代水準は、低いことが多く、底地価格も低くなる傾向にあることに注意して下さい。

最初に、不動産鑑定評価基準による底地の価格の求め方は、省略させていただきましたが、不動産鑑定評価基準では、地代を基にした収益還元法を適用することになります。

この場合、地代の高低で、底地価格も変わってきます。

2.底地の売却方法

底地の売却方法ですが、借地権と同様に、2パターン考えられます。

一つは、借地権者に売却、もう一つは、第三者に売却する、の2つになります。

借地権者に売却する場合から、説明します。

(1)借地権者に売却

借地権を売却する場合と同様に、底地を借地権者に買ってもらうことはよくあります

よくあります、というよりは、底地取引の多くは、借地権者が取得するケースになります。

借地権者に話しをするだけですので、手続きも簡単です

底地を取得する借地権者からすると、今までの借地権から、完全所有権となりますので、メリットも大きいです。

次の第三者に売却する場合には、不動産業者にお願いすると仲介手数料がかかりますが、借地権者との直接取引になりますので、仲介手数料も不要となります。

(2)第三者に売却

借地権を第三者に売却する場合には、地主(底地所有者)の承諾(譲渡承諾)が必要でしたが、底地の場合には、そのようなことは不要です

ですので、売却手続き的には、借地権を売却する場合よりも容易です。

通常は、不動産業者に相談することになると思いますが、この場合には、仲介手数料が必要となります。

3.まとめ

底地についての解説と、底地価格、底地の売却について、説明しました。

第三者への売却で、一つ注意点ですが、底地価格は通常、完全所有権である土地と比較して、価格は高くても半分程度、実際にはそれ以下、ということが多いです。

不動産業者は手数料商売ですから、価格の低い物件の手数料は、低くなりますので、積極的に取り扱ってくれない可能性があります。

また、通常の土地と比較すると、借地契約内容の確認もあり、手間もかかります。

ですので、底地を第三者に売却する場合には、業者選びが、売買成功のポイントになります

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この記事を書いた人

東京都中央区日本橋室町にて、不動産、不動産鑑定会社である堤不動産鑑定株式会社を経営しています。
会社ホームページはこちらです。
https://www.tappraisal.co.jp/

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