PFAS(ピーファス)という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
PFAS(Per-and Polyfluoroalkyl Substances)とは、有機フッ素化合物の総称です。
最近、新聞等で目にすることが多くなったような気がしております。
健康への影響が懸念されることから、軽視はできない問題です。
PFASについて、簡単に解説させていただき、近年、多摩地域でPFASが問題になっていることから、それが地価に影響を与えているのかを検討したいと思います。
1.PFASについて
PFASは、先のとおり、有機フッ素化合物の総称で、持久性有機汚染物質(PFOSやPFOAなど)が、一般的には、よく知られています。
高濃度のPFAS曝露は、免疫機能や発育に影響を与える可能性があり、 一部のPFASはがんリスクとの関連が示唆されています。
また、PFASは環境中に広く分布しており、土壌、水域で検出され、 食物連鎖を通じて生物に蓄積され、生態系への長期的な悪影響が懸念されています。
以上、PFASについて、簡単に説明させていただきましたが、安心の出来ないものだということが分かるかと思います。
2.多摩地域におけるPFASの状況について
さて、多摩地域におけるPFASの状況ですが、ご存じない方には、なぜ多摩地域なのか、と突飛に思わた方もいらっしゃるかもしれません。
先に、触れませんでしたが、PFASは、効果的な消火特性があり、消防用泡や消火器に使用されています。
そこで、横田基地です。
今回調べるまで知りませんでしたが、横田飛行場が正式名称で、その中に、アメリカ空軍の横田基地、航空自衛隊もある、ということになります。
横田基地は、立川市、昭島市、福生市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町に跨っています。
PFASの消化特性より、横田基地にて、PFASが使用され、それが漏出している可能性が指摘されています。
この件については、東京新聞にて、多く記事にされており、このブログも東京新聞を参考にさせていただいております。
なお、本ブログは、地価の動向を検討するものであり、横田基地との因果関係について、解明するものではありませんので、これについては、これ以上触れません。
3.地価への影響
多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会のホームページに、PFAS汚染度が掲載されており、汚染が極めて高い地域として、府中市、調布市、国立市、国分寺市、小平市、西東京市の6市が挙げられています。
この6市を中心に、検討していきます。
多摩地区と前記6市の住宅地の地価動向をグラフ化したのが下記です。直近の動向が分かる地価調査(7/1時点の価格)の変動率推移を示したものです。
赤の太線が多摩地区の平均です。
まず、全般的な傾向について、解説させていただくと、令和2年に、新型コロナウイルス感染症の影響により、それまでの上昇傾向から、上昇幅が縮小、あるいは、マイナスに転じ、その後は、テレワークが浸透したことによる住宅需要の回復により、上昇、あるいは、更なる上昇となり、令和5年においては、コロナ前以上の上昇となっています。
赤の太線が多摩地区の平均ですが、6市は、小平市を除き、令和3年以降の回復局面において、多摩地区以上の上昇となっています。
これは、6市は、多摩地区において、区部に近い地域によるものだと思われます。
そうしますと、汚染が高い地域の変動率が、多摩地域の平均よりも変動率が高くなっていることから、現在のところPFASの影響はない(より正確に云えば、影響は観察されない)のではないかと、推察されます。
分析の対象とし、市全体としていますので、やや大雑把な分析となっていますが、今後も新たな情報をフォローし、別の分析方法等により、地価への影響について、再度分析したいと思っております。
多摩地域で、不動産関連業を営む方にヒアリングしたところ、その方は、PFASについては、あまり気にしておらず、水道水を普通に飲んでいるということでした。
気にしている人はそれ程、多くはないのではないか、ということでしたが、外部から入らっしゃる方は、気にされる方もいるとのことでした。
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