中古戸建住宅はおすすめ? -中古戸建住宅がどうしておススメなのか、その理由を解説します。-

ご存じかと思いますが、新築マンション価格は、高騰しています。
また、新築戸建住宅価格も新築マンション価格の高騰を受けて、価格は上昇しています。
そうしますと、住宅の購入を検討されている方には、中古マンション、中古戸建住宅も検討の対象になってくるかと思います。
そして、中古マンションの相場も高騰しています。

このような状況のなか、私の個人的な意見になりますが、中古戸建住宅はおすすめと思っております。
勿論、価値観や住宅に何を求めるかで異なって来るかと思いますので、一概には言えないことは、承知しております。

今回は、中古マンションと中古戸建住宅の比較をしながら、やや個人的な見解になりますが、中古戸建住宅がおすすめな理由について説明をしていきます。

目次

1.中古マンションと中古戸建住宅の比較

中古マンションと中古戸建住宅の比較をざっとしてみたのが、下表になります。

中古戸建中古マンション
土地所有権持分(敷地権)
建物所有権所有権(一部)
管理・修繕自ら行う管理会社、管理組合
売買自由に出来る自由に出来る
建て替え自由に出来る制限を受ける

(1)土地

中古戸建住宅の場合、当たり前ですが、土地の権利は、(完全)所有権です。建物の所有者が土地を全部所有しているということになります。

一方、中古マンションの場合には、土地については、当然権利がありますが、他のマンション所有者と共有している状態となります。
持分と記載してますが、土地の一部分を持っていると云った方が分かり易いでしょうか。

ここでは、あまり関係ないかもしれませんが(少しだけ専門的になりますが)、マンションの場合には、敷地権の登記がされている場合には、土地のみを単独で処分することは出来ません。
敷地権の登記がされている場合と、記載させていただきましたが、古いマンションの場合には、敷地権ではなく、単なる持分になっている場合があります。

(2)建物

中古戸建住宅の場合は、土地と同様です。土地の所有者が、建物を全部所有している、すなわち、(完全)所有権となります。

中古マンションの場合、建物の一部分を所有しているということは、想像し易いかと思います。
これを少し詳しく云うと、区分所有といいます。文字どおり、区分された箇所を所有している訳です。

所有という意味では、中古戸建住宅と同様ですが、区分された一部分の所有ということになります。

(3)管理、修繕

管理、修繕は、中古戸建住宅については、当たり前ですが、所有者が自ら行います。
ですので、築年数を経るほど、適切に管理、修繕を行ってきた中古戸建住宅と、そうでないものとでは、大きく価値が異なってきます。
この見極めが大事なのですが、後程、再度触れます。
一般的に、30年程度で、木造住宅の価値はゼロとなりますので、お金を掛けて、管理、修繕をすることは少ないように思われ、なにか不具合があった場合に、その時に対応しているということが多いように思います。

中古マンションの場合には、管理組合が行います。自主管理の場合は、管理組合が、そうでない場合は、管理組合が業者に委託しています。
マンションの場合は、管理費、修繕積立金も徴収されていますので、管理、修繕に関しては、中古戸建住宅よりは確実に行われている可能性が高いです。
ですが、マンションの場合でも、修繕積立金が十分徴収されていなかったりますので、この点に関しては、注意が必要です。
また、例えば、雪が降る地域でしたら、中古戸建住宅でしたら、自ら雪かきをしなければいけませんが、マンションの場合でしたら、自分でしなくてもいいので、これはマンションのメリットになるかもしれません。

(4)売買

売買に関しては、中古戸建住宅も中古マンションも自由に行えますので、この点に関しては、違いは生じないものと思われます。

なお、中古マンションは、取引市場が成熟していますが、中古戸建住宅の場合、中古マンション市場と比較すると、やや未成熟なように思います。
中古マンションは、相場が分かり易いですが、中古戸建住宅の場合、土地・建物の大きさ、管理の状況等、様々です。

(5)建て替え

中古戸建住宅でしたら、築後30年程度、中古マンションでしたら、築後40~50年もすると、そろそろ建て替えを検討する必要が出てきます。

では、中古戸建住宅を建て替えると場合と、中古マンションを建て替える場合、どんな違いがあるでしょうか。

まず、中古戸建住宅を建て替える場合を考えてみましょう。
建て替え費用(既存建物の取り壊し費用を含む。)を確保するのが第一段階です。
自己資金なのか、銀行から融資を受けるのか、その両方なのか。
建て替え費用を確保出来れば、建て替え期間中の転居先を探して、完成後、戻ってくるだけです。

中古マンションの場合は、どうでしょうか。
建て替えをするには、区分所有者数及び議決権の4/5以上の賛成が必要となります。
ですので、自分の意志だけでは、建て替えは出来ません。スムーズに4/5以上の賛成が集まればいいですが、そうでない場合には、かなりの時間を要することになります。
また、建て替える建物のプランも、中古戸建住宅でしたら、自分で自由に決められますが、中古マンションの場合には、そうはいきません。

2.中古戸建住宅がおすすめな理由

中古戸建住宅と中古マンションの比較をざっとしましたが、どうでしょうか。

あまり変わらないところもありますが、建て替えについては、大きな差異があります。
建て替えということを考えると、中古戸建住宅の方が良さそうです。

中古戸建住宅も中古マンションも、中古である以上、建築されてから何年か経過しており、築浅であれば、建て替えの問題はそれほど重要ではありませんが、古くなればなるほど、建て替えの問題は切実な問題になってきます。

先に、「中古戸建住宅でしたら、築後30年程度、中古マンションでしたら、築後40~50年もすると、そろそろ建て替えを検討する必要が出てきます。」と書きましたが、中古戸建住宅は約30年経過すると、耐用年数を終え、経済的な価値がほぼゼロとなります。

しかし、経済的な価値がゼロになったからと云って、物理的に使用不可能かというとそうではなく、30年以上経過しても、実際はまだ建物は使用可能な場合が多いです。
そうすると、築後30年程度経過した中古戸建住宅は、ほぼ土地の価格だけで、土地と建物を購入することが可能になります。
ですので、中古戸建住宅(出来る限り土地価格のみに近いもの)を購入し、最低限のリフォームだけを行い、何年か住み、建て替え費用が手当出来たら、建て替えるというのが、経済的な点において、最も合理的な行動だと思っています。

3.まとめ

以上、中古戸建住宅がおすすめな理由を説明しました。

価値観にもよりますので、皆さんに必ずしも中古戸建住宅がおすすめということにはならないかもしれません。

例えば、一般的には、マンションは、戸建住宅よりも駅から近い便利な場所にあることが多いので、こういった利便性を重視されるのでしたら、マンションの方が望ましい、ということもあり得るかと思います。

また、中古戸建住宅を購入する目安に、ほぼ「土地の価格だけ」と記載しましたが、そうすると土地の価格をどう求めるのか、という話になりますね。
これにつきましては、別の機会に説明したいと思っております。

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この記事を書いた人

東京都中央区日本橋室町にて、不動産、不動産鑑定会社である堤不動産鑑定株式会社を経営しています。
会社ホームページはこちらです。
https://www.tappraisal.co.jp/

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